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リステリンに淋菌殺菌効果!?咽頭クラミジア・咽頭淋菌予防に朗報か?

数日前、興味深いニュースをネットで見つけました。
何と、口腔内洗浄液として市販されている【リステリン】に、淋病の原因となる淋菌を殺す効果がある可能性があるという論文が発表されたのです。

今回は、このニュースについての詳細と、増え続ける咽頭クラミジア・咽頭淋菌の感染予防にリステリンが効果的かどうか詳しく調べてみました。

今回のニュースの概要

オーストラリアの研究チームが英医学誌「性感染症(Sexually Transmitted Infections)」に発表した研究論文によると、リステリンは、実験室のペトリ皿内の淋菌(学名:Neisseria gonorrhoeae)と、感染者の喉に存在する淋菌をどちらも殺したという。
この結果が意味するのは、この人気のマウスウォッシュで毎日、口をすすぎ、うがいをすることが、性感染症の淋病を予防、抑制するための「安価で簡単な方法である可能性がある」ことだと、研究チームは述べている。
http://headlines.yahoo.co.jp/

Yahooニュースから引用させてもらいましたが、実際にリステリンは実験室の培養皿に置いた淋菌の菌量を【著しく減少させた】という結果が出ました。
また、実際に淋菌を喉に感染している人に対してリステリンによる口腔洗浄・うがいをしてもらったところ、こちらも淋菌の菌量が少なくなったとの事。

実は、リステリンは今から100年以上前、1870年代に【リステリンは淋病を治す】という宣伝文句で販売していたそうですが、今まで科学的根拠や研究データは一切ありません。
100年以上たった今、本当に淋菌に対する殺菌効果が実証されるというのは面白いですね。

では、現実問題として喉に感染する性感染症に対する予防策として、リステリンの利用はどの程度効果があるのでしょうか?

結論:喉の性感染症対策にリステリンでは不十分


残念ながら、現状発表されている論文の内容であれば【リステリンを毎回ちゃんとお互いすれば咽頭感染は予防できる!】とは言い切れません。

リステリンだけでは喉の感染症予防に不十分な理由は、具体的に下記のような理由が挙げられます。

1.淋菌を完全に殺菌しきれるとは限らない

上記の論文の成果では【淋菌の菌数を著しく減少させた】という表現にとどまります。つまり、『完全な殺菌』が出来たわけではありません。

もし、相手の喉の粘膜に淋菌が感染していたとして、行為前にリステリンでうがいをしても、菌を完全に殺菌できないのであれば、オーラルセックス(フェラチオなど)で自分の性器への淋菌感染の可能性が十分あります。

淋菌はもともと感染力と増殖力が非常に強い菌で、完全に殺菌する為には抗生物質を1週間~2週間服用しなければなりません。
また、淋菌は耐性菌が発生しやすく、従来有効であった抗生物質が効きにくい菌が増えてきているのも現状です。

その為、リステリンを行為前に使ったから淋菌の感染の心配はない!とは言い切れません。

2.クラミジアには効果があるか証明されていない

咽頭、つまり喉の粘膜に感染する性感染症は淋菌だけではありません。むしろ、日本国内では圧倒的にクラミジア感染が多いです。【咽頭クラミジア】と呼ばれるこの感染症は、若い男女、性風俗産業従事者の間で感染者が増加し続けています。

そして、今回の論文では淋菌に対するリステリンの効果についてはエビデンスがありますが、クラミジアに対してのリステリンの殺菌効果については一切触れられていません。
その為、仮にもし行為前のリステリンのおかげで淋菌の感染が予防できたとしても、クラミジアの感染まで防げる保証が全くありません。

咽頭淋菌、咽頭クラミジアの怖い所は、【感染者にほとんど自覚症状が無い】ことと【オーラルセックスでも感染する強い感染力】です。
相手の喉から自分の性器へ、自分の性器から相手の喉へ・・・・と無自覚なまま感染が広がってしまいます。

また、良くあるパターンとして、性病感染が不安で性器のクラミジア・淋菌の検査を行って陰性だったが、喉の検査を行っておらず、実は喉には淋菌やクラミジアが感染していたというパターンもあります。

性器の淋菌・クラミジア検査は男性の場合は尿検査、女性の場合は膣分泌液の検査で感染が分かりますが、喉の検査は別で行わないと分かりません。

咽頭感染の検査は、うがい液や、喉の粘膜を直接採取して検査をする事で初めて陰性か陽性か判断できます。

咽頭淋菌(淋病)・咽頭クラミジア感染を予防する為には?

咽頭淋菌や咽頭クラミジアの感染を予防する為に、リステリンだけでは不十分な事がおわかりいただけたかと思います。では、しっかり感染を予防する為にはどうすればよいでしょうか?

淋菌やクラミジアは粘膜同士が接触する事により感染する性感染症です。HIVや梅毒は血液感染ですが、淋菌やクラミジアの方が感染率は高いと言えます。
粘膜とは?具体的には性器、尿道、喉の粘膜、口腔内の粘膜などが挙げられます。

つまり、完全に粘膜感染を防ぐ為には、膣性交・肛門性交などのセックスでのコンドーム着用はもちろん、喉経由の感染を防ぐ為に【オーラルセックスもコンドームを利用して、粘膜接触を防ぐ】事が重要です。

男性から女性へのクンニリングスの際も、デンタルダム等のゴムやラテックス製のシート越しに愛撫する事で粘膜接触を避けた方が安全です。
また、喉の粘膜に淋菌やクラミジアが感染していた場合、微量ながら唾液にも菌が混ざる可能性があるので、激しいディープキス等で感染する可能性もゼロではありません。

少なくとも、性風俗店での生フェラ等は避けた方が良いです。

まとめ

リステリンによる淋菌の予防対策が出来る可能性が論文で発表された事はとても興味深いですが、残念ながら現状ではリステリンを使えば咽頭感染はしない!とは言い切れないのが現状です。

もちろん、喉の感染だけに気をつけていても、性器だけの感染だけに気をつけていても意味がありません。粘膜同士の接触、及び血液の接触をしっかりと避けなければ、性病感染を防ぎきる事はできません。(中には、ケジラミや疥癬などの、接触するだけで感染する可能性がある性感染症もあります)

将来的に、うがいをするだけで淋菌とクラミジアを完全に殺菌できるようなうがい液が開発される事を祈りつつ、今回は締めさせて頂きたい存じます。
喉に感染する咽頭淋菌や咽頭クラミジアは、男女ともに自覚症状がほとんどなく、感染に気付かないまま放置してしまっていたり他の人にうつしてしまうリスクが非常に高いです。

風俗店で生フェラを受けた事があったり、不特定多数の人と性行為をした事がある人は、一度性病の検査(性器と喉 両方)を受けてみる事をおすすめします。

また、咽頭クラミジアや咽頭淋菌の症状等については、下記記事で詳しくご紹介していますので是非参考にしてみてください。
>>咽頭クラミジア・咽頭淋菌の症状と感染経路
>>喉の性病(咽頭クラミジア・淋菌)の症状・検査方法の全て

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