Q:クラミジアは自然治癒するのでしょうか?
このサイトにも多くのお問い合わせを頂く事がありますが、一番多いのが上記の質問です。
今回は、クラミジア感染が自然治癒するかどうか?について詳しくご紹介いたします。
基本的には自然治癒しない
雑菌性の尿道炎などと違い、クラミジアという細菌は自然には死滅せず増殖を続けます。
基本的に身体に常に住んでいる最近(常在菌)では無い為、自分の体の防衛機能だけでは倒す事が出来ないのです。
その為、抗生物質の服用で殺菌する以外の治療方法は基本的にありませんし、症状が出ていなくても感染している事に変わりはない為、他の人と性行為をすれば相手にもうつすリスクがあります。
>>クラミジア感染の治療方法についてはこちら
目立たない性病、クラミジア
クラミジアという性病が注目され始めたのは、ここ20~30年の事です。それ以前は淋病や梅毒など、激しい症状がでる性病の影に隠れた存在でした。
このため、昔はクラミジアの症状がでても、淋病以外の弱い尿道炎として扱われたり、原因不明とされたりしていました。
しかし最近では、検査精度が大幅に向上した事もあり、クラミジアの細菌が2-3粒(ナノミクロンサイズ)存在するだけでも検知できるようになりました。
無症状のケースも多いクラミジア、まずは自覚症状や心当たりが無いかチェックし、不安ならすぐに検査を受ける事が非常に大切です。
>>男性のクラミジア感染の検査方法と症状
>>女性のクラミジア感染の検査方法と症状
放置するとどうなる?
クラミジアは症状がでにくく、男性の50%、女性の80%は症状がでません。感染の初期としては男性は尿道炎になり、女性は子宮頚管炎になります。
この段階で発見できれば治療も1~2週間ですみます。通院するのも確認検査を含めて3~4回ぐらいです。しかし、クラミジアは症状がでにくいので、感染を知らないまま進行する人もかなりいます。
特に、女性では症状が出ないのが普通で、初期に発見できない人も多いです。そして、気付かないうちにクラミジアは体の奥へと進行していきます。
この場合、男性なら前立腺、精巣上体(睾丸の上部)、女性なら子宮内膜、卵管、腹膜、肝臓とクラミジアは進行していきます。
クラミジアを放置すると、男女ともに性器周りの重大な病気のトリガーとなり、最悪の場合不妊になって子供が作れない身体になってしまう恐れもあります。
>>クラミジア感染放置の危険性についてはこちら
自然治癒したというレポートもある
アメリカの研究でクラミジアの自然治癒についてレポートがありました。
このレポートによると、クラミジアに感染した人のうち45%が1年で自然治癒、95%の人が4年で自然治癒していたと報告されています。
可能性として考えられるのは2つ。
- 他の疾病の際に投与した抗生物質で治ってしまった。
- 本当にクラミジアが自然治癒している
クラミジアは普通の抗生物質でも治ることもあるので、歯医者の治療後に貰う抗生物質や、風邪薬などを飲んだときにクラミジアが治ってしまった人もいるのでしょう。
自然治癒する可能性は?
あくまで、現時点では【クラミジアは自然治癒する可能性はほぼ無い】としかいう事が出来ません。
もちろん、仮に自然治癒するとしても、治るからいいという問題ではない事に注意して下さい。
あなたがクラミジアに感染している以上、パートナーや性交渉をする人に対して常にクラミジアの感染リスクがあります。自分が治ったとしても、相手に感染させてしまっては意味がありません。
また、治療を始めたら必ず【完治が確認できるまで病院へ通う】ということを忘れないでください。
抗生物質で中途半端に治療して、菌を完全に消滅させなかった場合、また菌は増えてしまいます。また、抗生物質に耐性を持った菌が現れた場合、治療は非常に困難になります。
まずは、自分が性病に感染しているかどうか、速やかに確認する事をお勧めします。
まとめ
クラミジアは、男女ともに自覚症状に乏しく、感染に気付かないまま性行為により感染を拡大してしまう事が非常に多い病気です。
症状は重くないですが、大切なパートナーにうつしてしまったあとに後悔しても手遅れです。
不安な行為があった人や、性器に違和感を感じる人は、この機会に一度検査を受けてみる事をおすすめします。
検査で陰性(感染していない)なら何も問題ありませんし、万が一陽性だった場合は速やかに治療に進めば問題ありません。大切なのは、一刻も早く陽性か陰性かはっきりさせる事です。
自宅でも簡単に検査が受けられる
今では、クラミジア検査を行う人の約半数は郵送で出来る検査キットを利用していると言われています。自宅で誰にもばれずに検査が受けられますので、気になった方は是非この機会に検査を受けてみてください。
特に、風俗店や若い一般男女の間で流行を続けているクラミジアの検査は必ず行うようにしましょう。
下記の記事で男女別のクラミジアの症状についてまとめましたので、心当たりが無いかチェックしてみてください。
>>男性のクラミジア感染についてはこちら
>>女性のクラミジア感染についてはこちら
また、性器の性病検査だけではなく、喉の感染(咽頭クラミジア、咽頭淋菌)も見落とさないように注意しましょう。
咽頭感染については、下記の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてください。
>>喉の性病(咽頭クラミジア・淋菌)の症状・検査方法